夢への扉

その68 「平昌五輪を見て」編

 2年前の夏、リオ五輪もいろいろなドラマがありましたが、今回もテレビにくぎ付けの毎日でした。やっぱりスポーツはすごい!中でも一流のアスリートたちの4年という思いが詰まっている五輪は、ものすごいエネルギーと感動が生み出します。
 
1.男子モーグル 銅メダル 原 大智選手
~笑顔で楽しむという本当の強さ~
 日本人第1号のメダルを取ったのは、男子モーグルの原大智選手でした。原選手のモーグルW杯の成績からもあまり期待されていない中での大会で、下馬評を見事に覆すメダル獲得となりました。自分が驚いたのは、原選手がカメラに向かって笑顔を見せてスタートし、試合後のコメント「これまでの中で、一番楽しんだ大会でした」の言葉です。この笑顔とモーグルを楽しもうとする前向きさこそが本当の強さであり、日頃の練習に加え、この強さが銅メダルだったと思いました。
 
2.女子ジャンプ 銅メダル 高梨沙羅選手
~決して個ではない仲間の力~
 ソチでメダルを期待されながらの4位という結果を受け、この平昌に臨んだ高梨選手。結果は今のベストを尽くした銅メダルとなりました。ジャンプという競技の性格か、何か孤高の選手といった感じがする高梨選手ですが,2回目の跳躍は素人の自分が見ていても大変美しいものでした。しかし、それよりも美しかったのは、跳躍が終わった後まだ結果がでる前に、高梨選手に抱き着き本当に嬉しそうな顔をする伊藤選手と、抱き着かれた瞬間にヘルメットの中で泣いていた高梨選手の2人の姿です。この個ではない仲間の力が銅メダルだったと思います。
 
3.男子フィギュアスケート 金メダル 羽生結弦選手
~人に見えない天才の努力~
 今回の平昌五輪は、羽生選手の金メダルが最も注目されたと思います。右足首のけがの後、全ての大会をキャンセルし3ヶ月間表舞台から姿を消し、平昌に戻ってきた羽生選手。その結果は誰もが驚く金メダルとなりました。演技中の着地を踏ん張り続ける姿と、ジャンプのスローに映るすさまじい形相は、チャンピオンにふさわしいものでした。試合では、痛み止めがなければ滑れない状態、怪我という逆境の中でも決して諦めることなく闘い続けた、人には見えない天才の努力が掴んだ金メダルだったと思います。
 
4.女子チームパシュート、マススタート 金メダル 高木菜那選手
~戦略と不屈の努力~
 平昌五輪にてメダルを量産した女子スピードスケート、その中心には高木姉妹がいました。中でも、女子チームパシュートで一糸乱れぬ体系を見せ、マススタートでは最終コーナーまでオランダ選手のお尻に食い付き、一気にまくった高木菜那選手が印象的でした。いずれもこれしかないという戦術を、妹には負けない努力の上に見事に成し遂げた、小さな大選手の2つの金メダルだったと思います。
 
5.カーリング女子 銅メダル 吉田知那美選手ほか
~笑顔が神様を微笑ませた~
 「そだねー」やおやつタイムが話題となったカーリング女子チーム、その結果は笑顔の銅メダルでした。自分はカーリングチームの中でも吉田知那美選手の屈託のない笑顔が大好きです。試合に負けた時、涙を流す吉田選手に他の国の選手が肩を叩いて励ましていましたが、それはきっと、日頃の吉田選手の笑顔が作り出したものだと思います。そして、その素敵な笑顔が神様を微笑ませ、銅メダルを呼んだのだと思います。
 
6.パラリンピックアルペンスキー 金銀銅5個のメダル 村岡桃佳選手
 日本人全体を通じても最多のメダルを取ったのは村岡選手でした。まだ21歳。中学2年で始めたスキー、お父さんとの二人三脚で掴んだメダルでした。今、大学生ですが、初めて障がいの方を迎える大学は寮をバリアフリーに改造したそうです。地元の壮行会も盛大に行われた村岡選手は、たくさんの人に囲まれ、たくさんのメダルを掴み、たくさんの夢をみんなに与えることができました。
 
 
 最後に…、念願の金メダルを取った小平選手が、帰国してから所属先の相澤病院に行って、患者さんたち一人ひとりにメダルを掛けた姿を見て、「ソミックもこんな素敵なことができる会社になりたいな~」と思いました。これが、社長の夢の一つです。