夢への扉

その67 「新年を迎えて~世の中の役に立つ~」編

 早いもので3月となりました。今月号は、新年の挨拶にて話をした2つ目の言葉、ソミックの理念 「世の中の役に立つ」 について、そして、「チームとスピード」について話をしてみたいと思います。
 
1.100年に一度の大変革
 今、自動車産業は100年に一度の大変革期に直面しています。C (Connected:接続性)、A (Autonomous:自動運転)、S (Shared:共有)、E (Electric:電気自動車) といった変革の波が一度に起こり、クルマは単に走る道具ではなく、空間を移動させるモビリティー、歩くスマホに変わると言われています。クルマに求められるものが大きく変わり、トヨタのライバルはクルマ業界ではなく、グーグルやアマゾンだとも言われています。その中で自動車業界は、勝つか負けるかではなく、生きるか死ぬかの本当の生き残りの時代に入りました。そして、それは自動車部品業界も同じこと、いやそれ以上だと言えます。エンジンが電動となり駆動系の形も変わり、なくなっていく部品もあります。しかし、残る全ての部品にも今まで以上に軽量化と低コスト化が必須とされています。これはボールジョイント、ダンパーも同じで、これまで以上の信頼性と低コスト・軽量化が望まれ、製品の材質や形状、製品に伴う工法も大きく変わることが求められています。そして、サプライヤーにとって、その波にのれるかどうかが、まさに言葉通りの、生きるか死ぬかだと言えます。
 
2.ソミックがすること ~世の中の役に立つ~
 この大きな変革を迎えるに当たり、私はこういった時こそ基本にもどることが必要だと思っています。それが、理念の言葉「世の中の役に立つ」です。理念とは、企業が最も大切にする思い、すなわち物事の判断基準でなければなりません。大きく自動車業界が変わっていく中、私たちはまず、お客様の声をよく聞く、そしてお客様のニーズをよく理解した上で、世の中の役に立つモノをつくっていかなければなりません。そして、お客様の声にできる限り早く答え、お客様が満足するモノを作って世の中に出す、そしてそれがお客様の期待を越えたものへとつながっていくことこそが「世の中の役に立つ」ということです。今こういう時代だからこそ、「お客様のために」が必要だと思います。皆さんも、どうすればお客さんの役に立つモノ、コトができるのかを、自分自身でぜひ考えてください。
 
3.Team SOMIC,With Speed
 この大変革に立ち向かっていくためには、会社の総力が必要です。営業、技術、生技が壁を取り払い、全員の力で新しい製品を生み出していくことが必要です。営業を中心としたチームがお客様に会い、一緒にお客様のニーズを聞き、それぞれが自分の持つ役割の中で動きながらも、自ら率先してお互いに補完し合い、製品とチームをつくりあげていく、これが自分の思う“Team SOMIC”の姿です。Teamとは、職位に関係なくお互いに意見を交わし合い、役割に関係なく手を出し、助け合うことだと思っています。よく言われる「部門の壁」を、自分たちの手でぶち壊し、チームとして結果にこだわっていくことです。そして、結果にこだわり続けることがチームをより強くします。「部門の壁」を作っているのは相手ではなく、自分自身なのです。時代の流れは間違いなくさらに速くなり、それは2020年の東京オリンピックを境に加速していくと思います。このスピードに対し、自分たちは、お客様の声をどこよりも早く掴むと共に、その声に早く答え、速く動いていくことで結果を早く出す、より早く、より速く、これが “With Speed”です。“Team SOMIC,With Speed”チームの力でスピードを持って立ち向かう、これがソミックの生き残りです。
 
 これから自動車は変わり、部品も変わっていかなければなりません。このことをピンチと考えるのではなく、この変革を全てのチャンスと捉え、私は、何事にも明るく前向きに仕事をしていきたいと思っています。仕事を通じて感じるワクワク感を常に持ち続けること、それこそが本当に会社が生き残るということなのかもしれません。